寒いのにはあきあきした。

 気がつきゃはや三月ってわけで、新緑も芽吹いたる、萌えー萌えぇぇぇな季節がやってこようとしております。世に三寒四温ともうしまして、寒さ三日続きたるのち暖かさ四日。このくりかえしのなかでいつのまにやら春が巡りくるという寸法でございます。
 れっきとした勤め人の御仁ならいざしらず、いつ果てるともしれないその日暮らしのやくざものには、この季節の移りかわりってやつが身にしみます。とくに春ってやつはいけません。世間様の浮かれように釣られて、こっちまでなにやら胸のあたりがざわざわと疼きだしちまいます。いまさらなにに期待しようというんだか、そもそもなにを目当てに日々過ごしているんだかわからないからその日暮らしと呼ばれるんですけれども。
 まったくもって、桜の季節が待ち遠しいです。