悪いやつほどよく燃える

 プレイステーション3を購入して一週間ほどがたちました。
 一緒に暮らしてみてわかったことですが、こいつはいろいろな意味で熱い漢です。我が家での定位置はテレビラック下段と決めたのでありますが、当初、電源を入れたあとラックのガラス扉を閉めて稼働させていたところ、2時間ほどして開けてみるとそこから灼熱の空気が噴出してきました。南国トロピカンなんてほがらかなものではなく、アラビア砂漠炎熱地獄であります。コンビニ弁当くらいならばふつうにあっためられるのではないでしょうか。
 また噂に聞いていたDVDのアップコンバート能力も、定評通りの胸熱くする高性能ぶりを見せつけてくれました。さすがに通常のDVD映像をblu-ray画質まで高解像度化するってのは誇張気味かと思いますが、それでも37インチ液晶ハイビジョンモニタで再生させて、ブラウン管テレビと同じくっきり感ってのはすごいことです。以前使っていたパイオニア製DVDプレイヤーDV-400Vのアプコン機能に見られた輪郭のジャギーも、プレステ3だとまったくあらわれません。まあ、そのぶん画面全体がソフトな出力になっているわけですが、このへんは若干のノイズはあってもとにかくシャープでクリアな画質を求めるか、いささかボケ気味だけどなめらかな画質を求めるかの嗜好の差になってくるかと思います。個人的にはプレステ3もいいけど、パイオニアDV-400Vも費用対効果って点で素晴らしい出来だと思っています。そうそう、電源の起ちあがりやDVD再生の際のレスポンスの良さでは、PS3の圧勝でした。さすがは腐ってもゲーム機です。
 AV器機としての感想はこれくらいにして、ゲーム機としてはどうかと申しますと、いまいったように腐っています。少なくともプレステ3のゲームには面白そうなものが一本もなく、もっぱらPS2、初代PSのゲームしかやるものがないという時点で発酵したゲーム機といえるのではないでしょうか。
 新作ソフトによる牽引という点は今後の動向次第ということでひとまずあきらめるにしても、wiiにはヴァーチャルコンソールというレトロゲーマー垂涎のアイテムがありますし(メガドラの『クライング』がもう一度やりたい)、Xbox360のLive Arcadeなんてハードコアゲーマーに向けて発掘リメイク新作なんでもござれ状態です(『斑鳩』やらせろ)。
 PS3にも、いちおうゲームアーカイブスなんてものがあるんですが、わざわざ初代PSのゲームやってもなあ。なんというか、こう、ものすごい絵がきれいな大作じゃなくてもいいんだけど、PS3でしか遊べないゲームが出てきてくれると、ひじょうにテンションあがるんですが。ヴァーチャルコンソールの二番煎じといわれてもいいから、サターンのゲームとか配信してくれないかしら。『レイディアント・シルバーガン』とか出せばものすごい食いつきっぷりをしめす人がいそうだし、個人的には『心霊呪殺師太郎丸』の大味さがもう一度味わいたい。『ダイナマイト刑事』なんて思考回路が燃えさかっちゃってるし、熱いPS3にぴったりだと思うんですけど。どうっすかね?