空いた時間は寝て過ごせ。

 あまりの時間のなさにいきなり怒髪天を衝き、すべての元凶はパソコンにありと脱PCを思い立ってノートパソコンを購入した。
 パソコンをやめるためにまた新しいパソコンを買うんじゃ、本末転倒だろうという批判の声がそこかしこから聞こえてきそうだが、これにはいささかの説明を要する。
 もともと私のPCの使い途といったらメールのチェックにネットの閲覧、それにワープロ程度なのだが、ナマケモノの哀しい性というべきか、一度PCデスクのまえに座るとまず動こうとしない。なにをするでもなく、ダラダラとネットサーフィンに興じてしまい、気がつけば2時間3時間が過ぎているなんてことがしょっちゅうある。これではとうてい有意義な時間を過ごしているとはいえない。さらには休日ともなるとこの状況が一日中続くとなれば、これは立派なネット廃人である。
 この状況をなんとか打破する解決策はないかと考えた結果が、ノートパソコンの導入である。つまり、PCデスクのまえに座らなければいいのだ。必要なときだけ起動させ、用が済んだらパタンと閉じる。わずかな移動時間の合間にメールチェックをし、商談まえに相手先の企業情報をネットで得、会議に向けて報告書を素早く作成する。まるで激務に追われるエリートビジネスマンみたいだ。
 もっとも現実の私は仕事自体はわりと暇なフリーターなので、ちょっとタバコを買いに行くまえにバイアグラだのロレックスのレプリカだのとやかましスパムメールのチェックをし、誰と会う予定もなく引きこもってはゲームの攻略法なんかをネットで調べ、読む人間もいない文章をダラダラ書いているのだけれども。