新しい枕に替えたとたん首を寝違えてしまった。
言葉にすればそれだけだが、現実の肉体が感じる痛みは単なる寝違えの範疇を大きく越えている。なにしろ、目覚めたときには痛さで起きあがることはおろか体勢を変えることすらできなかったのだ。
その後どうにかこうにか立ちあがるまではできたものの、首をまっすぐ上に向けることができず、なにをするにもうつむき加減。歯を磨いていても口元からとめどもなくよだれが垂れてくるし、なによりうがいができない。人と話していても首が動かないので上目遣いで態度が悪いと怒られる。外出しようにも振動で首に激痛が走るので歩けない。
結局一日自宅でじっとしている他はなく、予定はすべて見送り。
もういいんだ。うなだれて生きていくんだ。
