68冊でした。

 年の瀬気分にどっぷりとひたっております。外はいいお天気です。明日の元旦もこんな陽気だと、晴れがましく一年のはじまりを祝うことができるのですが、いかがでしょうか。
 さて、例によって今年一年を振り返ってみようと思ったのですが、例年のごとしでたいした一大事はありませんでした。仕事のうえではめずらしく転職のない一年でしたが、といっていまの職業が気に入っているだなんてことは毛頭なく、ただ単に辞めるきっかけがなかったからにすぎません。私生活の方もとくにこれといって。三十路に突入したことくらいかな。あくまでも戸籍上はですけど。
 そうそう、ゲーマーに復活しましたね。ほぼ一年かけて『METALGEAR SOLID』を123全部クリアしました。個人的にはストーリーは三作目。ゲーム性は二作目。でも、もしもグラフィックは3なみ、操作性は2なみで一作目をリメイクしてくれたら、それが一番面白いと思うんですよね。wii買って「Twin snake」探そっかな。
 読書関係ですが、今年は近年めずらしく本を買い込んだ一年でした。年間トータルで219冊。毎月の耐乏生活の原因はおまえだったのか! ちょっと面白いんで、月ごとに累計をとってみましょう。
 まずは一月に12冊。ノートをみると、11日水曜日が今年の書店はじめで、旧年中に買い逃した「本の雑誌 1月号」が今年第一号。ちなみに、現在毎月定期購読している雑誌はこの「本の雑誌」だけなんですが、買いはするものの、読むのはさぼり気味。来年はちゃんと読もう。
 買う方だけじゃなくて読む方はどうなっていたのか調べてみると、元旦から宮部みゆき模倣犯』上下(小学館)。あの分厚い単行本を上下二冊一週間かからずに読了しています。よほど面白かったのでしょう。映画はなかったことにしてほしいです。注目すべきは月の中頃から隆慶一郎影武者徳川家康』上中下(新潮文庫)を一気呵成に読みこなしているところです。思えばここから時代小説攻勢がはじまりました。そんなわけで一月読了は7冊。
 続いて二月はいきなり増えて42冊。隆慶一郎現象が如実にあらわれて、原哲夫が漫画化した『影武者徳川家康』全6巻、続く第二部『SAKON』全6巻(二作ともに集英社)、そして『一夢庵風流記』(新潮文庫)を原作とした『花の慶次』(集英社文庫)全10巻が半分を占めております。読了の方は5冊。隆慶一郎作品の再読がすべてなんですが、少ないですね。
 三月に入ると購入冊数はぐっと減ります。6冊。とくにめぼしいものはないんですが、「SFJapan 06 春季号」を買っていますね。本の雑誌の他にこれも出るたびに購入しているんですが、ほぼ斜め読みです。せいぜい面白そうな対談ぐらいで、日本SF新人賞受賞作などはまったく読みません。基本的に雑誌上で小説は読まないんですよ。読んだ本は4冊。低迷しておりますが、読んでいた本が白井喬二富士に立つ影』(富士見時代小説文庫)だと思えば仕方がないんじゃないでしょうか。面白いんだけど、ひたすら長いことと文体の古さがたたって、ページをめくる手がはかどらないこと。
 四月は購入14冊に読了6冊。とりたてて話題もありませんが、以前電撃文庫から出ていた田中哲弥やみなべの陰謀』が早川文庫JAから復刊されたことがうれしかった。どうせなら「大久保町シリーズ」三冊も復刊してくれればよかったのに。うれしかったといえば、『よつばと!』と『シグルイ』の新刊が同時期に出たことも愉悦の出来事でした。
 五月。7冊購入、4冊読了。このあたりのことはまったく記憶にありません。ノートをみても、そういやこんな本買った、とか、この本読んだっけ? なんてものばかりではなはだ心許ない。なんて考えていたら思い出しました。この頃から本格的に『METALGEAR SOLID』にはまりだして、ほとんど本なんか読んでいませんでした。
 そんなことを言いつつ、六月、そして続く七月はすごいです。六月は購入61冊。七月31冊。この二ヶ月で100冊近く購入しています。なにを血迷ったかと申しますと、突如として山田風太郎コンプリートなるものを目指したんであります。
 きっかけはネットオークションでした。以前から読みたいと思っていた光文社文庫の「山田風太郎ミステリー傑作選」全10巻が、たまたまのぞいたネットオークションで安く出品されていたんですね。この機を逃すまじと首尾良く落札して、二、三日後に手元に届いたんですが、荷物が届いたその日にふらふらと立ち寄った某新古本チェーン店でまたもや山田風太郎を発見してしまったわけであります。しかも絶版となった講談社ノベルス忍法帖シリーズでも、その後文庫化もされていない『銀河忍法帖』やら『忍法封印いま破る』、『笑い陰陽師』だのをごろごろと。なにか非常に運命的なものを感じまして、こうなったら風太郎全作品揃えちゃると天啓のようにひらめいた結果が、二ヶ月でおよそ100冊であります。大量の同本異版が存在する風太郎作品を極力少数で全作揃えられるように版元版型をリストアップし、それを片手に手当たり次第古本屋をまわっていくのは、苦労もありましたがそれ以上に至福の体験でした。日下三蔵さん、『忍法相伝73』の復刊を待ってます。
 で、読了本ですが、大量に買っているわりには六月七月各8冊づつ。最近、この辺が自分の限界なんじゃないかと思いはじめました。昔は月に30冊とか平気で読んでいたんだけど。
 そんなわけで、2006年も下半期に入ると、手に入れた風太郎作品を読んでいくのが精一杯で、新しく購入した本も読むどころではありません。よってここからは読了本はすべて山田風太郎となります。
 八月は購入8冊、読了6冊。すべて山田風太郎
 九月。購入10冊、読了4冊。五月に続いて読み終えた本が少ないですが、これはこの月に原作・武論尊/画・原哲夫北斗の拳』(集英社文庫)にはまってしまったため。おまえはすでに死んでいる。
 十月。先月さぼっていた風太郎探しを再開したため、購入は若干多めの16冊。読了6冊。
 なお、この月で絶版及び版元品切れの風太郎作品はほぼ蒐集しおわる。あとは講談社文庫の「山田風太郎忍法帖シリーズ」やちくま文庫山田風太郎忍法帖短篇全集」、「山田風太郎明治小説全集」、その他エッセイなど、現在書店で手に入るものが大半。血と汗と発見の喜びと愛と友情と飛んでいく野口英世に満ちた古本屋巡りも、ひとまずはここで終了。山田風太郎の偉大さを身をもって感得した四ヶ月間でした。そしてもう一度、日下三蔵さん、『忍法相伝73』の復刊を待ってます。
 十一月にもなると、さすがに本業の方が忙しくなり、書店をチェックする時間もとれなくなってきます。そんななか、注目の新刊がこちら。永山薫エロマンガ・スタディーズ』(イースト・プレス)。70年代からはじまったエロ漫画を、その誕生、伝播、発展と的確に分析し、傾向をジャンルに分類し、歴史と展望を解説する。こんな本を待っていました。語られる内容にエロはありませんが、各ページにちりばめられたエロ漫画の抜粋はエロ満載です。すべてのエロ漫画好きは必読の名著。これを含め、購入は4冊、読了8冊。
 さあ、やっと最後の十二月。今月は何度読んでも泣いてしまうあずまきよひこよつばと!』6巻(メディアワークス)が出たかと思えば、夢枕獏の三年ぶり『新・餓狼伝 巻の一』(双葉ノベルス)も発売になりました。なにをもって「新」なのかは読んでないのでわかりません。大晦日の現在購入は八冊、読了は2冊……。師走なんです、忙しかったんです。それにしても2冊って……。
 年間100冊。これが来年の抱負です。